レコーディングの旅

YouTubeのMAKOTO BOXにふたつ続けて「歌声ペトラ」の音源をアップしました。歌声ペトラの曲256曲を逆順に紹介する動画(歌詞と音源)なので今回で69曲目になるようです。アップしているほとんどがこのためにレコーディングをした音源なのですが、このことをきっかけに宅録男になっているわけです。人生でこんなに録音をしたことはありません。

さて問題はそのクオリティーです。元々最低限の録音機材は揃えていたのでスタートすることの問題はなかったのですが、やればやるほどレコーディングの奥深さといいますか、知識の沼、機材の沼、テクニックの沼、演奏技術(理解?)の沼が眼前に広がってきました。

プロとしては恥ずかしい話ですがわからないことはググったりYouTube先生に教えてもらったりしながら一歩一歩やってきました。そんななか先日ある音楽関係者が「岩渕さんのレコーディングはミュージシャンが録ったって感じですよね・・・」と妙に含みのあることばを残してくれました。その場では「なるほど・・・」なんて意味のない返事をしましたが、その後次第にそのことばが気になってきました。

多分「あれってどういうこと?」と訊き返しても「あ〜大した事じゃないですよ、ただそんな感じがしただけです」的な答えが返ってくるような気もして訊き返すこともしていません。

ではエンジニアのレコーディングとはなんぞやと考えると確かにミュージシャンのそれとはかなり違うと思います。これまでの経験上レコーディングのプレイバックでミュージシャンが聴いているのはまず第1に自分の演奏です。大体自分の演奏に問題がなければ「お疲れ様〜」状態の頭になってしまいます。でもエンジニアは全体を監視しているわけで、ミュージシャンとは違う判断をしているはずです。

「ミュージシャンが録った感じ」というのはそういう面を感じたからなのかなあと勝手に想像しています。そしてレコーディングの全体を見回してみようと思い立ったわけです。

実は歌声ペトラの187番はそんな意識を持ってレコーディングしミックスをしました。しかしなかなかイメージ通りにはいきません。特にボーカルです。もちろん録りが完璧ならばその後の処理もスムーズになると思いますが、自分が歌うために作った曲ではないこともあり、短時間ではなかなか歌いきれません。そしてボーカルの処理に関しての知識もスキルも格段に不足しています。

これからの課題はここだなあと思っています。残り186曲のレコーディングの旅はどうなっていくでしょうね。