CASへの思い2ープロとは

カメラマンやミュージシャンは自分でプロと宣言すればプロになれると言われます。冗談のようですが確かにそれは間違いではないかも知れません。もちろんそれで生活ができるのかどうかは別ですが・・・。しかしそれで生活ができないからと言ってプロではないということも言えません。劇団の役者さん達の多くはアルバイトをしながら役者を続けていらっしゃいます。

私がデビューする前にハッピーエンドのオフィスである風都市を訪ね、前島さんとお話をさせてもらったことがあります。その時に前島さんが言ってくださったことを今でも忘れません。それは「岩渕くんが自分にしか歌えない歌が歌えるようになったら力になるよ」。

当時の私は多くのミュージシャンの影響を受けながら創作活動をしていたレベルだったので、自分しか歌えない歌と言えるようなものはないと思っていました。今になれば憧れの誰かに負けないように頑張ることだけではなく、自分自身を見つけてゆくところに「自分にしか歌えない歌」への道があることがわかりますが、自分をいくら掘り下げても目ぼしい何かが見つからないということの方が多いのではないでしょうか。

しかしそれはその人に何に取り柄がないということではなく、力が発揮される場所がアートではないということでしょう。人は持って生まれたものに依るところが大きいわけです。念のためにもうひとつ付け加えておきますがそれは才能だけの問題ではなく、生まれた年や月にも関わってくるからややこしいんです。興味のある方はこの本をお薦めします。

さてプロとアマの境界線は伝統芸能に属する方やプロダクションに所属している人であれば、収入の如何に関わらずプロということができますが、フリーランスの場合は証明できるものがありません。証明できうものは過去の実績意外にはないのではないでしょうか。実際に私も銀行から融資を受けるためにありったけのCDを持って行ったことがあります(笑)。

やっと本題に入りますが、クリスチャンアーティストサポートの課題のひとつはプロのアーティストとは誰なのかという事です。経歴を見ればある程度はわかりますが、プロを目指している若者に経歴はありません。

この点についてはCASのスタッフでも話し合いがもたれています。私自身はは推薦人制度を提案しています。それはCASにアーティストとして登録するためには推薦人が必要ということです。例えばAさんというアーティストの推薦人がCASや第一線で活躍しているアーティストだとしたら、Aさんは実力と経験を持ったアーティストと言って良いでしょう。しかし推薦人が家族だけであればプロとは思えないでしょう。しかし将来のある若者には推薦人が家族や友人達やライブでのファンという人が多いでしょう。推薦人制度ならばこういう若者達もアーティストの中に名前を連ねることができます。仮にCASアーティスト年鑑のようなものができたとしたらその中に名前が載ります。そしてその推薦人を見ればどういうアーティストなのかがイメージできます。これが僕がイメージしている推薦人制度です。

CASでの話し合いではより具体的なアイデアも出ています。それは納税していることです。「ギク!」っとする人がいるかもしれませんが、これも大切なポイントです。特に今回のコロナの国からの給付金ではっきりしたように、納税しているかどうかは大きなポイントになると思います。なのでCASでは納税についてのワークショップなども開催できたらと考えています。

と、ここまで書いてきたことを形にしてゆく事だけでも大変なことですが、これを機会に共感してくださる方々と一緒にチャレンジして行きたいと思っています。CASは将来メンバー制にしてゆくことを考えていますが、メンバーはアーティストだけではありません。アートを支えたいクリスチャンの方々はもちろん、教職者、教会、等キリスト教文化を守り育むことを考えてくださる方ならばどなたでもOKです。ぜひあなたも今からCAS のメンバーだと思ってくださいませんか。

というわけでやはり今日も本田路津子さんの「ひとりの手」ですねえ。

CASではクラウドファンディングを行っています。

CAS, 日記

Posted by buchi