『わが祖国』から『わが地球』

07/17/2023

僕は映画『ドラえもん』の主題歌を歌わせてもらったことがありますが、実はアニメには縁遠い人間です。でも最近朝ドラを観るようになり、アニメ制作にかける労力がどれほどなのか等々を知って、アニメが少し身近になってきていました。ですから先日の京都アニメーションの惨事は大きな衝撃でした。

そんな中妻から『この世界の片隅に』を勧められて観ました。実はずっと『この世界の片隅に』を観たことがあると思っていたのですが、予告編を観た記憶が残っていただけのようでした。

『この世界の片隅に』には広島への原爆投下に至るまでの数年のことが描かれています。全体に画も音もやさしいタッチで描かれていますが、そのことが平和な日常に忍び込んでくる非日常である戦争の残忍さを強く感じさせられると共に、我がことに置き換えながら考えさせられる助けとなっています。

観終わった今、自分の中に浮かぶことばを並べてみました。「戦争の影」、「召集」、「軍艦」、「敵機」、「爆弾」、「墜落」、「火」、「炎」、「被弾」、「誰かの死」、「知人の死」、「家族の死」、「自分の死」、「失ったもの」、「失った人」、「失った歴史」、「失った誇り」、「失った物語」、そして「何を失ったかさえわからなくしてしまった巨大な破壊」・・・、「痛み」、「痛み」、「痛み」。

最近は韓国とのやり取りが日々エスカレートしてきています。日本政府としては最近の対応とあまりの言われ方に堪忍袋の緒が切れたというところでしょうか。しかしその感情は韓国も同じか、あるいはそれ以上かもしれないと考えることを忘れてはいけないでしょう。

政府の問題か報道の問題かはわかりませんが、国民を落ち着かせることばがどこからも発せられないところを見ると、互いの政府にとって今の状況は悪くないのではないかと少々穿った見方をしたくもなります。

アメリカのフォークシンガー、ウッディーガスリーが歌った『わが祖国』という曲があります。

「我が祖国」というタイトルからナショナリズムを喚起する歌かというとそうではありません。僕的には自分が暮らしている土地を愛しみ、育み、守る、ということを歌ったメッセージソングだと受け取っています。

最近は『日本』を辱めるとか卑しめるというようなことばを目にすることがありますが。その度にその『日本』とは何処のこと?誰のこと?と思ってしまいます。

僕はこれまで何度も韓国に伺ったことがありますし、たくさんの韓国の方々と交流を持って来ました。最初は仕事の取り組み方ややり方が違うなあと面食らいましたが、次第にその良さが見えてくるようになりました。

韓国で出会ったある方が、「韓国は道端の大きな広告看板をあっという間に建てられるが、何本ものロープで倒れないように補強がしてある」。「日本は時間をかけて建てるが補強のロープがいらない看板を立てる」。と言って笑っていました。もちろんこのことばには謙遜が入っているわけですが、僕はこんなことを思いました。それは「決断力と行動力の韓国」。「慎重と確実性の日本」。これはどちらが優れているということではなく個性の違いということです。ですから互いがひとつとなってことを起こせば日本海に橋を架けるのだって夢ではないと思います。

今は『わが祖国』から『わが地球』と声を上げなければいけなくなっているのかもしれないですね。


 

 

日記

Posted by buchi