おもしろ話(20)

07/03/2023

またまた北欧はスウェーデンでの話です。まずはコペンハーゲンの空港でお世話してくださる方と待ち合わせをしていたのですが、なかなか出会うことができませんでした。さすがに少々焦りも感じてきたので放送で呼び出しをかけてもらうことにしました。名前がゴーランという方だったので係りの方に「ゴーラン〇〇さんの呼び出しをお願いします」と伝えたのですが、放送が終わっても一向にその方が現れる気配がありませんでした。結局出会えたのですが、後で聞いたら名前はゴーランではなくユーランとのことでした。文字だと『G¨oran』なのでゴーランと読んでしまったというわけです。Gの次のテンテンはGの上についています。

無事に出会えてフェリーでスウェーデンに入ったのですが、最初に訪れた試練はスウェーデン語の発音でした、日本語の『う』でも『え』でもなく喉で発音する言葉があったんです。しかもそれがあの有名な『Amazing Grace』の1番に出てくるではありませんか。スェーデン語でも歌いたかったので、しばらくその発音を習ってなんとか近い音を出せるようになりました。

さてコンサートをしながらスェーデン行脚の旅が始まりました。コンサートを終えた歓談の時には日本についての質問が出てきます。それにこちらで答えようとすると世話人のユーランが答えてしまいます。通訳をしてくれるのではなく全部答えてくれてしまうんです。というわけで約1週間ほど通訳を介しての会話をすることができませんでした。

人というのは面白いもので会話ができないと少し精神に変調をきたしてくるようです。初めてのスェーデンということもあったでしょうが、次第に普通じゃない精神状態になってきて、会話ができないってこんなに影響があるのかと感心したほどでした。

ある日、翌日の夕食にはお米が出るとの情報が入り、「米が食える」の期待感が膨らんで気持ちが盛り上がりました。翌日夕食の席に出ていたのは『ライスプディング』でした。なんとお米が甘いお菓子になってしまっていました。「なんてもったいないことをするんだろう」が最初に思ったことです。おかずなんていらないからご飯と醤油くれ〜でした。