おもしろ話(6)

06/24/2023

25年ほど前に僕に大きな転機が訪れました。それはそれなりに辛い時期でもあったのですが、そんな頃に不思議なことが2度起こったんです。どんな不思議なことかというと見ず知らずの方から移動中にコーヒーをご馳走になるという出来事です。

最初は新幹線の中でした。僕はコンサート会場に向かうために下りの新幹線の右側窓ぎわの席に座っていました。隣には少し年上に感じる男性が座っていたのですが、車内販売が来た時にその方がコーヒーをふたつ買って僕に「いかがですか?」と手渡されたんです。普段ならば「え!そんなそんな云々カンヌン」とドキマギするところだと思いますが、僕は心が弱っていたせいもあってか「ありがとうございます」とそのまま受け取ってありがたくいただきました。その時の気持ちは風邪で寝込んでいた時に家族がおかゆを作って食べさせてもらった時のような感じに近かったです。あとで思えばその方が僕のことを知っていたのか、はたまたいつもそうしているのか、あるいは天使だったのか・・・。僕にとっては天使でした。

もうひとつはアメリカの国内線の機内でのことでした。この時も右側の窓際に座っていましたが、隣は小学生くらいの男の子でした。アメリカでの国内線一人旅はあまり経験がないのでなんとなくドギマギしていたのか、かわいそうな移民だと思ったのか、その子供がコイン1枚を支払って僕にコーヒーをご馳走してくれたんです。その時のその子は足を組んで一丁前の大人を気取っているようでした。お父さんの真似をしたのか、僕が貧しく見えたのか、はたまた天使だったのか・・・。僕には可愛い天使のように思えました。

人生には天使が登場することがあるんですよね。