ナゼカボクマデドンチョウノナカニ

05/18/2023

昨日は歌手の渥美二郎さんにお招きをいただいて浅草公会堂へ出かけました。浅草は『横丁のジーザス』のジャケット写真を撮った場所です。このCDにはスマイルという曲が収録されているので、横丁、スマイルとくれば浅草かということで、浅草演芸ホールの前で撮影をしました。

普段はなかなか浅草へ行く機会はありませんので、今回は最近興味を持っている浪曲の小屋である木馬亭へ行ってみようと思い立ち行ってきました。

初めての生浪曲を観ながらその迫力にグッとくる瞬間がなんどもありました。そして思い出したのが、その昔、世間ではお涙ちょうだい的な話のことを「浪花節だねえ〜」って言っていたことでした。

印象的だったのは終演後に演者の何人かの方が出口近くで「ありがとうございました」と心から頭を下げられていたことです。

最初は初めての浪曲を何時間も聴いていられるものだろうかとも思いましたが、どうしてどうしてしっかり楽しませてもらいました。

木馬亭の後は少し浅草をぶらっとして浅草公会堂へ向かいました。公会堂には開場前からすでにたくさんの方々が並んでいました。演歌というと皆さん色々なイメージをお持ちのことと思いますが、渥美さんをひとことで表現するとまず「上品」ということばがぴったりだと思います。そして生きることの意味を追求する求道者的な方だと思います。

昨日はデビュー50周年ファイナルということで、前半は様々なジャンルの曲を歌われました。中でも印象に残ったのが岡林信康さんの『山谷ブルース』でした。

後半はヒット曲のオンパレードです。曲によってはギターを弾き、ピアノを弾きと見事な構成でコンサートが進んで行きます。そしてフィナーレは渥美さん作曲の『涙色のタンゴ』でした。

アンコールにはご自身がスキルス性胃がんで闘病中に作詞作曲された『なみだの花』を歌われました。そしてなんとアンコールの2曲めに『永遠鉄道』を歌ってくださったんです。まさかここで!と正直驚きました。そして永遠鉄道が終わりエンディングテーマの演奏が始まったところで、渥美さんがバンドの演奏を止め、私の紹介をし、ステージへ上がれと招かれたんです。

そして、そして、渥美さんとデュオ?で『永遠鉄道』を歌いました。浅草公公会堂で渥美さんのデビュー50周年のファイナルステージの最後の曲で、で、で、ですよ・・・・・・・・・(大汗)。

このアルバムをリリースしたのが1988年のことですから20年目にしてこんな展開になるとは考えてもみませんでした。

アンコールの終わりに全く場違いな雰囲気の男がステージに現れて、ずっと応援してこられた渥美さんのファンの方々はどう思われたのでしょうか。歌い終わると緞帳が降り始めてナゼカボクマデドンチョウノナカニ・・・・・

久しぶりにちょっと頭が混乱した夜となりました。アツミサンホントウニアリガトウ!